テストは何のためにあるのか〜選別するテストから育成するテストへ
皆さんこんにちは。
最近全国学力テストの結果がニュースで流れています。
このニュースをみて、「テスト」のついてちょっと思うところがあったので、
今回はこれをテーマにします。
■テストはなんのためにあるのか
さて、皆さんは何等かのテストを一度は受けたことがあると思います。
学校の定期テスト、入学試験、入社試験、資格試験、etc
テストには様々な種類があります。
これらのテストは何のためにあるのでしょうか?
そんなの考えるまでもない、という声も聞こえてきそうですね。
定期テストは内申点のため。内申点は入試のため。
入学試験も入試のため。
入社試験は入社のため。
資格試験は資格取得のため。
もちろんそうなのですが、これらはある一つの目的に集約されると思います。
それは「選別」です。
これらのテストは、テストを主催する側が、その組織に人を集めるときに、
選別をするために実施されています。
入試は、偏差値というモノサシで人を図り、そのモノサシのなかで優秀とされる人間を選別しています。
入社試験も、偏差値ではないにしろ、何かしらのモノサシで人間を選別しています。
資格試験は、結局は入試、入社のためのモノサシを提供しているのにすぎません。
現在、世の中にあるテストの目的は「選別」にあるといってかまわないのではないかと思います。
■全国学力テストは「選別」のテストなのか?
さて、世の中にあるテストは「選別」のためにある、と言い切ってみましたが(笑)、
全国学力テストは何のためにあるのでしょうか?
このテストは、同じ問題を全国で実施して、都道府県別で平均点が公開されます。
そして、マスコミはその都道府県別のランキングを報道して、世の中の目を引こうとしています。
このテストの目的はなんなのでしょうか?
都道府県を序列化することが目的なのでしょうか?
そしてその序列で何等かの選別を行うのでしょうか?
私はこのテストは選別が目的ではないと思います。
本来の目的は、個人の学習到達度を図り、学習が遅れている子はケアする、
進んでいる子はもっと伸ばす、その判断をするための、いわなストップウォッチのようなものだと思うのです。
全国学力テストは、序列化が目的でも、選別が目的でもないと思います。
文部科学省はどう考えているかわかりませんが、私はそのように思います。
■育成するため、成長するためのテスト
テストには「選別」の目的がある、そう述べました。
その目的は今後も残ると思うのですが、今後のテストの主たる目的は、先にのべたように、
全ての個人が学びを進めるための指針としての位置づけであるべきだと思うのです。
子供が、大人が、すべての人間がなにかを「できるようになる」。
学ぶ→理解できているか確認する→学ぶのサイクルの一部としてテストはあるべきだと思います。
序列化や選別の道具としてのテストは出番は少なくなるべきと思います。
もちろん、こんなテストなんて受けなくてもできるようになる子はたくさんいるかもしれません。
でも個人的な感覚から言って、大多数の人間はテストのようなストップウォッチの機能を果たすものがないと
なかなか学習がすすまないのではないでしょうか。
さらに、ストップウォッチの性質を持つテストは、おそらく何度も受験することになると思います。
なので、一発の試験よりも、生徒を募集する学校、新入社員を集める会社はその中である程度のスコアをとれているのであれば、
再度テストを受ける必要もなく、基本OKのようなスタイルになっていくと思うのです。
(テストを何度も受けているのであれば、それは学習意欲の表れにもなります)
学びの結果としてのスコアを選別の「参考」とすることはあるとしても、
最初から選別を主たる目的とするテストは、存在感も薄れ、その重要性は低くなると思います。
■テストで人を判別することなどできない
ここまで読み進めてくださった方の中には、結局スコアで人を評価しているのだから、
育成するテストだ、なんて言いながら結局選別のためのテストじゃないか、という意見もあるかもしれません。
私は、テストのスコア自体は「参考程度」にすべきである、というスタンスです。
つまり、どんな形であれテストでなんか人は完璧には計れない、というふうに思っています。
(アタリマエ、と思われるかもしれませんが。。)
例えば、入社試験のSPIのスコアが高い人物が、入社後優秀な人材かどうかというと、ほぼそんな相関はないことが知られています。
また、学校の成績と入社後の優秀さにもあまり相関はない、とも言われています。
テストで計れるのは、「読み書きそろばん」ぐらいである、というのが私の大前提です。
なので、そもそもテストのスコアは参考程度にすべき、と考えています。
■まとめ
まとめです。
・「育成・成長」がこれからのテストの主な目的になるべき
・そもそもテストで人間を選別することなんてできない
というのが本日の結論です。
以上、終わります。