不確実な情報を元に、どのように意思決定すればよいのか(2)

前回に引き続き、不確実な科学的な仮説をもとに、どのように意思決定をすべきかです。


今日は、複数の人が科学的な仮説を元に1つの意思決定をすることはできるのか、また「二酸化炭素削減25%削減」という意思決定における仮説の扱い方、意思決定のプロセスについて考えてみたいと思います。


■科学的な問題を多数決で決められるのか?
ここでの問題提起は、専門家ではない人たちに、科学的な問題に関する意思決定をすることができるのか、ということです。


私は、仮説をもとに想定されるシナリオのパターンが提示され、それぞれのメリット・デメリットが明確な形に情報が加工されていれば、多数決によって意思決定できると考えています。


たとえば、大きな傘があり、ある1つの町を覆っているとします。その傘の開く、閉じるはその町にいる人全員の意思で決められるとします。また、その傘を開くためには、町の人全員で力を合わせないと開かないとします。


天気予報をもとに、この大きな傘を開くか閉じるかを全員で意思決定する場合には、各人の判断をもとに決定されるとします。


降水確率が60%の場合、ある人は開きたいと思うが、ある人は開く必要はない、というような意見を足し合わせて、大きな傘の開閉を決める、という考え方です。


もし、直接天気図を見て、そこから判断せよ、といわれれば各人は判断できないでしょうが、明日の降水確率、という形で情報があれば判断できます。


このように意思決定そのものは、専門家ではなく一般市民が行うことが可能だと思います。


科学的な問題でも、一般の人が判断できる形に情報が加工されていれば、普通の問題のように判断できるのだと思います。


つまり、科学者といった専門家たちが、集団に変わって意思決定するのは間違っていると思います。


彼らの仕事は、科学的な情報を、天気予報のように一般の人が判断できるように情報を加工することです。その際、恣意的なものをはさんではいけません。


■「CO2 25%削減」という「意思決定」は、正しいプロセスですすめられているのか?
日本において、「CO2 25%削減」を進めようという動きは、誰が何に基づいて判断したことなのか、正しいプロセスですすめられているのか、ということについて考えたいと思います。


「CO2 25%削減」とは、2009年の民主党のマニュフェストに記載されていたものです。


その民主党が選挙によって政権をとりました。


よって、CO2 25%削減は国民に支持されたマニュフェスト、ということになります。


そしてそのマニュフェストを政策に落とし込み、実行しようとしている、というのが現在の状況です。
鳩山首相の2009年9月22日の国連演説での表明で明らかになりました。


私は、この進め方において考えなくてはいけない3つの論点があると思います。
1つ目は、「二酸化炭素25%削減」というマニュフェストを、国民が選択した、と果たして言えるのか、ということです。


2つ目は、国民は、科学的な仮説である地球温暖化の予測を十分に理解していたのか、そして二酸化炭素25%削減ということによっておきるメリット・デメリットを十分に理解していたのか、ということです。


3つ目は、マニュフェストを政策として実行する際、今後も25%削減を進めていくという国民の民意を問う意思決定のポイントを儲けるべきなのではないのか、ということです。


・・・と、それぞれ一つずつ検証したいのですが、時間がなく、かつ長くなりそうなので、次回にまた持ち越します。すいません。


2回でおわるといっていたのに、3回になってしまいました。
明日は題を変えて、今回の話の続きをしたいと思います。