福島第一原子力発電所の現状4 (放射線量の推移、15日00:00から15日23:35まで)
東京電力発表の福島第一原発で観測された放射線量が更新されましたので、グラフにしたものを公表します。
■■グラフ: 観測ポイントごとの放射線量(横軸:時刻 縦軸:放射線量(マイクロシーベルト))
■正門付近のγ線量
出典:福島第一原子力発電所の現状について【午後11時35分時点】・別紙:福島第一原子力発電所モニタリングカーによる計測状況(PDF 55.9KB)
データ観測期間:15日00:00から15日23:35まで
なお、18:30から23:35までが今回の更新分です
※正門以外は東電発表のアップデートがないので、正門付近のみグラフ化しました。
■■考察
前回以降、15日23:35に新たに8000マイクロシーベルトのピークが発生しています。マスコミでの発表はないですが、昨晩(3/15日の深夜)はどうやら比較的高濃度の放射性物質が漏れていたようです。
ただ、比較的高濃度といっても、首都圏で通常より高い濃度ではありますが、健康被害のないレベルの放射性物質が観測された3/15のお昼頃の状況とはあまり変わってはいませんので、あわてることはないと思います。
(昨日お昼頃に各地で観測された放射線量とその人体への影響については読売新聞発表の記事http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110315-OYT1T00552.htmを参照ください)
また、15日9:00のピークを中心として、およそ1時間45分ほど比較的高濃度(8000〜11000マイクロシーベルト)の放射性物質が漏れ続けていました。放射性物質が身体に与える影響は、その積算値で考える必要がありますが(上記のグラフでいうと、グラフで囲まれた部分の面積に相当)、その観点からいうと、いままではピークの後すぐほとんどゼロ近くまで減少していた場合とはちがい、放射性物質の漏えいがより深刻になっていることが考えられます。
昨日深夜(23:35)までのデータしかなく、今現在はどうなっているのか気になります。
東京電力には、モニタリング状況をもっとリアルタイムに公表していただきたいと思います。
ちなみに、東京の日野でガイガーカウンターで計測した放射線量を公開しているサイトがありますので(http://park18.wakwak.com/~weather/geiger_index.html)、東京周辺の方はこちらもご参考にしてください。(こちらはよりリアルタイムのデータです。なぜ同様のことを東電がやらないのか疑問です)
そして事態は一向に良い方向に向かいません。先ほど(16日10:34)3号機から白煙が上がったとのニュースがありました。
これでまた放射性物質が放出される危険性が高いです。