「1%」は少ないか?〜パーセントと絶対数〜

みなさんこんにちは。fusatonです。
花粉症がひどくなって、くしゃみが止まらない今日この頃です。
電車の中でつい大きなおとでくしゃみをして、ジロっとにらまれてしまいました・・


さて、本日は”「1%」は少ないか?〜パーセントと絶対数〜”という題で書いてみたいと思います。


■「1.8%」でも「141人」


2014年4月18日のYahoo!NEWSで、以下のような見出しの記事がありました。


「新出生前検査 1年で141人陽性」


新出生前検査とは、おなかの中の赤ちゃんに、染色体異常など、先天的な遺伝的疾患がある可能性が高いかどうかを調べるものです。
もちろん、その数は少ないほうがよいのですが、「141人」という数字を見ると、「多い」と感じる方は多いのではないでしょうか。
私もそのように思い記事を読んでみると、


妊婦の採血で胎児の染色体の病気が高い精度でわかる新型出生前検査を受けた妊婦は昨年4月の導入から今年3月末までの1年間で7775人に上り、うち141人(1・8%)が胎児に病気がある可能性が高い「陽性」と判定されたことがわかった。(読売新聞)


とあります。つまり、検査をした「7775人」のうち、「1.8%」の「141人」が「陽性」であった、ということです。


「1.8%」という数字は、「141人」という数字とは逆に、今度は少ない、と感じるのではないでしょうか。


では、今回の新型出生前検査で陽性であった数は、結局多かったのか、少なかったのか?


おそらく、Yahoo!NEWSの見出しを付けた方は、「141人」と表現することで「多い」と印象づけたかったのではないでしょうか。


私は、「1.8%」という数字から「少ない」という印象を抱きました。(もっと多い割合を想定していたからです)


どちらに感じるか、それは個々人ばらばらだと思いますが、この例から、パーセントと絶対数で印象が真逆になってしまう、ということがいえるのではないかと思います。そして、このことはいつも注意しなくてはいけないことの一つなのでは、と思っています。



■報道は「パーセント」か「絶対数」かで、受け手の印象を操作できる


パーセントは、当たり前ですが、母数(すべての数)のうち、ある事柄がどのくらいの数を占めているか、ということを示しています。
ここで大事なのは「母数」です。
母数が大きくなるほど、パーセントが小さくても、その絶対値は大きくなります。100の1%は1ですが、1億の1%は100万です。


たとえば交通事故でなくなる方が、年人口の1%います、と聞くと(一瞬)少なく感じますが、1億3000万人の1%は130万人です。これは、「多い」と判断し、交通事故を無くすためのアクション、対策を講じていくべきものと判断すべきでしょう。


だからどーした、というふうに感じるかたもいらっしゃるかもしれませんが、この考察から言えるのは、報道はある数字を、パーセントであらわすか、絶対数であらわすかによって、同じ事柄を、「少ない」と印象づけたり、「多い」と印象づけることで、ある意味読者の印象をある程度操作している場合がある、と思うのです。


これは、日々の報道などを見るうえで、十分注意しなくてはならず、
パーセントと、絶対数、(できれば母数)のすべてを把握して判断していかないと、印象を操作されてしまいかねない、ということだと思います。