医療の進歩は寿命を延ばしてはいない

皆さんこんにちは。fusatonです。


今回は、以前書こうと思って挫折した、
医療と寿命の関係についてです。


医療は寿命を延ばしていると、皆さん無意識そう捉えているのではないか、と思うのですが、私はそうは思わないのです。


なぜそのように考えるのか、ということをご説明します。



■「水」がよくなると平均寿命が延びる。
まずこのグラフを見てください。


※安井至さんホームページより引用
http://www.yasuienv.net/HamaSuido.htm



これは横軸が寿命、縦軸が清潔な水の供給の度合いを表していて、
一つ一つのドットが国を表しています。


このグラフからわかるのは、
水が改善されると、寿命が延びている、
という相関関係です。


このグラフは東京大学名誉教授の安井至さんという方が講演で使った資料から抜粋したものです。


また、元国土交通省の竹村公太郎さんは、日本(東京)では大正十年に寿命の伸長が始まっていて、それは当時の東京市長であった後藤新平上水道の塩素による消毒を始めたからである、と指摘しています。


平均寿命の伸長は、乳幼児の死亡率が下がることが一つの要因で、
塩素による水道水の消毒が、その一助となった、と分析されています。


これらのことから、水の改善が、寿命伸長の大きなドライバーである、
と考えてよいのではないでしょうか。



■「感染症」の制圧も寿命伸長に寄与しているのではないか
次にこのグラフを見てください。(図をクリックすると大きく見ることができます)


テルモ 医療の挑戦者たちから引用
http://challengers.terumo.co.jp/challengers/01.html



これは、日本の主な死因別にみた死亡率を経時的にグラフにしたものです。つまり、どんな原因で死んだ人が、ある時期どのくらいいたのかをグラフにしたものです。


このグラフからわかるのは、昔(明治〜昭和初期)は感染症で亡くなる人が多数であったのが、昭和中期ごろからは感染症で亡くなる方は激減し、脳血管疾患(脳内出血など)が主な死因となり、いまは悪性新生物、つまりガンが主な死因である、ということです。


私は、この感染症の制圧が寿命伸長にかなり寄与しているのではないか、
と考えています。


そしてこれは水道の消毒もさることながら、
抗生物質の登場が達成したのではないか、と考えます。


レミングが人類が見つけた最初の抗生物質であるペニシリンを発見したのは1928年で、その後10年ほどで医療の現場に登場しています。
これは感染症の激減の時期とほぼ一致しています。


■人類の寿命伸長は「清潔な水」と「抗生物質」によってもたらされた


つまり、人類の寿命伸長は「清潔な水」と「抗生物質」によってもたらされた、と言えると思うのです。


清潔な水を提供するのは行政、水道局の仕事です。
抗生物質を提供するのは製薬企業・薬局の仕事です。


つまり、寿命の伸長に、病院で提供される、いわゆる「医療」はそれほど寄与していないのではないか、というのが今回言いたかったことです。とくに最近さわがれているような先端医療も、全く寄与していないと思います。(癌や生活習慣病は克服できていないので)

水道局の方や、薬局の方々、また行政の方々は(医師のように)もっと尊敬されていいのではないか、と思いました。


いつも清潔な水を、安全な薬をありがとう!


以上、終わります。