なぜCO2削減をすべきなのか 〜問題の本質はエネルギー転換〜
今週はCO2をキーワードにいろいろ考えてきました。
今日はそのまとめをしたいと思います。
話をまとめるために、1つの問いを立てました。
それはなぜCO2削減をするべきなのか、ということです。
■地球温暖化防止策としてのCO2削減の有効性
今週の頭に、日本が削減しても日本分だけでは温暖化防止にはあまり貢献しない、ということを述べました。(こちらを参照)
では世界ではどうでしょうか。
世界の各国ががんばって二酸化炭素を減らせば0.6度の上昇にとどまる、そこそこだったら2度の上昇、あんまりがんばらなかったら4度の上昇ぐらい、といわれています。
4度上昇すれば気候変動が大きくなり、生態系も回復不可能にまで破壊され、地獄がやってくる、とIPCCはのたまっています。
私はこれは科学者の"脅し"にすぎない、と考えています。
これらは事実ではなく"予測"にすぎません。
はっきりいって、このような地球レベルのシステムに関する予測は、さいころ振っているのとあんまり変わらないレベルだと思っています。(何でそのようにかんがえているかは今度説明します)
大事なのは、毎年ちゃんと詳細に微細にデータをとって検証していくこと、それに基づいて、確実にいえることのみ言う、というのが正しい科学者の態度ではないでしょうか。
私の地球温暖化防止策としてのCO2削減の有効性についての見解は「?」というのが正直なところです。
■なぜ"CO2削減をしなければいけない"のか
この問いにしては、"化石エネルギーはいつかなくなってしまうから"が私の答えです。
"地球温暖化防止のため"というのは、本質的な理由ではありません。
私は"CO2削減しなければいけない"よりも"化石燃料から代替エネルギーへの転換を進めなければいけない"が本当のメッセージだと思っています。
"CO2削減"は化石燃料からの転換の結果生じる現象であって、目指すべきものとしては間接的な指標です。そして、CO2削減をめざしてしまうと、排出権売買、という仕組みの存在から、エネルギー転換を進める圧力としては小さくなってしまうのでは、と考えています。(化石燃料の使用量を削減させるという選択肢のほかに、排出量を買う、という選択肢があるからです)
化石燃料からの転換は進めざるを得ないことです。すると自然に二酸化炭素の量も削減されるとおもいます。二酸化炭素の削減をめざしても化石燃料からの転換はおそくなってしまいます。
なので、まず目指すべきこととはエネルギー転換です。
二酸化炭素の削減はそれ自体が本当の目的ではないのです。
■人類が存続するために
ちょっと話が大きくなりますが、"人類が存続し続ける"ということを希望する場合、さしあたっての問題はなんでしょうか。
人類はご飯を食べないと死にます。水が飲めないと死にます。温度が低すぎたり高すぎたりすると死にます。
これらをクリアするには食料、水、資源、といったモノと、これらを循環させる物流や、住宅、都市が必要です。これらを持続させるためにはエネルギーが必須です。
食料、水、資源、エネルギー。
これらの4つのファクターを維持していくことが人類存続にとっての必須条件です。
ではCO2削減はこれら4つのファクターのうち、どれを維持するために必要なのでしょうか。
直接的にはまずはエネルギーに関連しているでしょう、というのが私の考えです。
二酸化炭素排出によって地球温暖化が進んだとして、そのことで食料生産量がどうなるのか、水(淡水)はどうなるのか、それはなってみないとなんともいえないと思います。
食料に関しては温暖化が進めば、赤道からはなれた地域が暖かくなります。
かつ二酸化炭素がたくさんあれば、それだけ植物は実をつけるための原料が増えることになります。
そうすればもしかしたら食糧生産量はむしろ高くなる可能性もないとはいえません。
また水に関しては、温暖化によってどうやらその量が増えるようです(こちらを参照)。また海水を真水に変えることのできる技術はすでにあるので、あとはコストの問題がクリアできれば問題ないのではないでしょうか。洪水や豪雨が懸念されているようですが、都市計画でなんとかなる気がします。
温暖化で起こることには悪いことと、よいことがあるのではないか、と考えています。そして現時点では複雑すぎて読みきれません。
ただし、ご飯が食べれなくよりも先に、エネルギーがなくなってしまうことのほうが速く、確実に起こるリスクではないかと考えています。
よって、人類は二酸化炭素削減というよりも"エネルギー転換"を急ぐべきと思います。
■どのようにエネルギー転換を進めるか
ただ、いきなりエネルギーの転換をしよう、石油の使用制限をしよう、といっても経済が混乱するだけです。
なので最初は二酸化炭素の削減という形で間接的にはじめ、少しずつ切り替えていく必要があります。
私は経済活動ともリンクさせていくべきと思います。以前考察したGOC(GDP on Carbon)のような指標を導入し、単位二酸化炭素あたりのGDP額をどんどん高めていけばよいと考えています。