環境問題の本質 〜環境問題とは国家存続の一番重要な問題〜
先週から議論してきたこともここらでいったんまとめに入りたいと思います。
今日は、そもそも「環境問題」ってなにか、二酸化炭素と温暖化、エネルギー問題の関係性について述べたいと思います。
■環境問題とは
環境問題は、人類が今後存続していくうえで、それを阻害する要因をさしていると理解しています。
現在の、そしてこれからの人口を支えていくだけの資源、水、食物、エネルギーを確保できないかもしれない、というのが環境問題の根本です。
つまり、まず人が生きていくという"意志"があり、どうしたらそれを支えることができるのか、という考え方です。
このような考えに違和感を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、私は自身がヒトである以上、"ヒト"が存続していくことを望みます。
最近鳩山首相は、人類はいなくなるのが一番地球に優しい、とかおっしゃっていましたが、私はこの言葉を聴いてすこしぎょっとしました。
ヒトだって地球上の1つの生物に過ぎません。
地球上で生きながらえようとするたくさんの生物のなかの1つです。自滅を選ぶ生き物もいることはいますが、少数派です。
そもそも、生き物は生きようとしていると思います。
それは"ヒト"だって同じことではないでしょうか。
(たしかに、他の種を絶滅に追いやっているのは、許しがたい行いであると思います)
ヒトが生きていくために必要なのモノ(=資源、エネルギー、水、食料)を地球は供給し続けられるのか?というのが私の考える環境問題です。
■まず決めるべきは人口のサイズ
私は、環境問題に対して、まずどれだけの人口を支えなくてはいけないのか、支えるつもりがあるのか、を各国の政府が明らかにしないといけないと思います。
どれだけの人口で生きるのか、を考えるためには、今後地球はどのくらいの人数を支えることができるのか、を考えなくてはいけません。
これはとても難しい問題です。
ですが概算でも計算しなくてはいけません。
地球がどのくらいの人数を支えることができるのか、は大きく4つのファクターに分解して考えるべきです。
■環境問題の本質は、化石燃料の使用
エネルギー、水、食料、資源この4つが人類が生きていくために必要なファクターだと思います。
これを持続的に人類が得ることができれば、存続していくことが可能です。
現在、気候変動が大きな関心を呼んでいます。
地球温暖化、ハリケーンの大型化など、さまざまな現象が人々の見聞を集めています。
これらは、4つのファクターのうち、特に食料と水に影響を与えるものだと考えています。
気候変動の原因は、二酸化炭素による地球温暖化が原因である、という見方があります。(疑わしいとも思いますが、仮にそうだとします)
つまり
二酸化炭素増加→温暖化→食料、水への影響
という図式が成り立ちます。
ここで、エネルギーを考えます。先週からのお話で、エネルギーの大部分は化石燃料に頼っている、ということをお話しました。化石燃料は二酸化炭素の元です。これを上記の図式に加えると、
一番の問題は"食料、水"に影響がでることです。
いま世間を騒がしている、二酸化炭素増加と温暖化は、これらの最終的な問題を起こす原因として騒がれています。ですがその大元の原因があります。それは"化石燃料の使用"です。
つまり、二酸化炭素の増加、温暖化は、途中の問題であり、人類を絶滅に追いやる可能性のある"食料、水"の問題を解決するのは、化石燃料の使用を取りやめることです。つまり、石油と石炭を使わないことです。
今世界では、二酸化炭素削減の取り組みがなされています。
ですが、これは直接化石燃料の減少には結びつかないのでは、と思っています。
中国、アメリカがまず二酸化炭素の排出量を削減すべきですが、物質としての排出量を削減できない場合にはかれらには抜け道があります。
それは排出権を他国から買うことです。
これから、どのように進んでいくかはわかりませんが、可能性としてはゼロではありません。
なので、私は二酸化炭素の削減よりも、石油、石炭の使用量の削減、これを推し進めるべきだと思います。
残りのエネルギー、資源に関しては、枯渇する、ということが問題です。
これらを解決するためには再生可能なエネルギーなど、食料、水、といったファクターに干渉しないものをうまく使っていくしかない。
化石燃料は、ほかの重要なファクターに影響を与えるので、使うことができません。
自然エネルギーでいきたいところですが、これらはエネルギー量としては、現在の社会をさせるだけの実力がありません。
原子力はじつは資源にたよっているので、いつか枯渇しますが、資源量が豊富なため、当分は持ちます。
ですが、事故を起こす危険性があり、その結果、水、食料に影響を与えます。なので、これを使うのはつねにストレスフルです。
最近、マグネシウムが次世代のエネルギー源として有望視されてきています。(詳しくはこちらを参照)日本で研究が盛んに行われています。これは、太陽という自然エネルギーを使い、再生可能なエネルギー源であること、質量あたりのエネルギー量の大きさ、取り扱いやすさ、などの点からかなり有望だと思います。
候補はありますが、まだまだ解決には程遠い状況です。
エネルギー問題(非化石燃料への移行問題)は4つの重要な要素のうち、3つのリスク回避するとても根本的な問題であり、トッププライオリティをおいて、解決に当たるべき問題です。
もし、二酸化炭素が気候変動の原因ではないとしても、エネルギーそのものの枯渇を回避する、地球温暖化とは別の理由で、化石燃料からの移行は進めなくてはいけません。
■話をもどして・・・
で、どれだけの人口を"ささえたい"のか、そのために必要なエネルギーは、水は、食料は、資源は、、、
日本で考えても、1億人を維持するのか、3000万人でいいのか、それによってエネルギー、水、食料、資源の戦略は大きく異なってきます。
1億人ならやはり次世代のエネルギーを急いで開発しなければならないでしょう。食料に関しても、リスクを考えて自給率を上げなくてはいけないでしょう。
3000万人なら、もしかしたら自然エネルギーと原子力だけでいけるかもしれません。
食料もいま荒れ果てている休耕地を耕せば、3000万人ぐらいの胃袋は満たせるかもしれません。
実際問題としては、いきなり3000万人にはならないので、やはりエネルギー戦略は進めなければいけませんが・・・
■環境問題は、環境団体や環境関連省庁の問題ではない。国家戦略の根本にかかわる問題である
というわけで、まず人口のサイズを規定し、それを食わせていくために、エネルギー、食料、水、資源を持続的にリスクをできるだけ下げて供給するか、これが環境問題の根本です。
つまり、生態系をこわしてはいけない!というのは問題の一部であり、基本的には国家の戦略の根本にかかわる問題です。
各国の、そして日本の生き残りをかけた問題なのです。
なので、国の根幹を握る人々には真剣に、何が問題の本質か、どうあるべきか、どうすればよいのか、を考えていただきたいものです。
■おわりに
まだまだ浅いところで議論していますが、いったん二酸化炭素と温暖化の問題から始まった環境問題はここまでにします。また気が向けば書きますが、集中連載(?)はここまでにします。
明日からは、また別のテーマで書きます。